「不易流行」は松尾芭蕉が表した、俳句を作る際の理念、つまり根本的な考え方のことです。
俳諧を論じた「去来抄」の中で、
「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と芭蕉は言っています。

「不易」とは変えてはいけないもの、「流行」は逆に変わらねばならないものと読み解くことができます。
つまり俳句作りの不易とは基本のことです。
例えば五七五の文字数を無視しては俳句でさえなくなり、未来永劫変わってはいけないものです。
その他にも俳句作りの技術や表現上、不易は色々あります。

しかし人や世の中は時代と共に変化し、心や世相なども変わっていきます。
それに従って俳句も新たなものを求めて変化せねば、良いものができなくなります。
これが流行です。

俳句の起源は室町時代の連歌まで遡ります。
連歌は五七五の「上の句」と、七七の「下の句」で構成されますが、
この連歌が江戸時代に質的に変化して俳諧となり、
さらにその上の句だけで成り立つ文芸として俳句が派生していきます。
逆に連歌を上流に遡ると和歌にまで辿り着きます。

このように俯瞰して見ると、俳句そのものがやはり長い年月をかけた変化の結果なのですが、
五七五の形は連綿と引き継がれ、俳句だけでさえ三百年以上の長きにわたって生き続けています。

このように過去へ遡りながら不易と流行を見分けるのは簡単ですが、
今から将来に向けて、何を不易とし何の流行とするのかを定めるのは容易ではありません。
しかしその選択こそが、企業にとっても個人にとっても将来を決めるポイントの一つなのではないでしょうか。
不易流行こそが、現代を生きぬく極意だと思います。