えびす講とは「えびす神」にお参りする祭です。
例えば、関東では「べったら市」、関西では「十日えびす」や
もっと庶民的に「えべっさん」という呼ぶ方が通りが良いかもしれません。
その他に全国でも各地で行われているお祭です。

えびす様は七福神の一人で、右手で釣り竿を持ち、
左手で大きな鯛を抱えているあの神様です。
主には商売繁盛の神様とされますが、豊作豊漁などの神様としても崇められます。
だからえびす講では「福笹」を買い求めて商売繁盛を祈念し、
西宮神社では「商売繁盛で笹持って来い」という掛け声が流れています。

お金をかき集める熊手を求めてやはり商売繁盛を願う事から、
酉の市と混同されがちですが、両祭は全く関係のない祭礼です。

さて特に関西の方は、
「えべっさんは一月の行事なのに?」と不審に思われるでしょうが、
べったら市の様に10月に行われている所もたくさんあります。

それは「神無月」と称される10月には、
日本全国の神様が出雲大社に集まり、
えびす様だけが留守番で居残られるので、
それに感謝するのがえびす講だからという説があります。
11月の祭礼である神社も多いですが、
旧暦の神無月は今の11月にあたるからでしょう。

しかし神様のほとんどが出雲に出かけるから
神様のいない月で神無月だという説自体が民間発祥の伝承に過ぎないので、
えびす講のこの由来もあまり信が置けません。

いずれにしても本当の由来がどうであれ、
他の神様の留守を一人守ってくれるえびす様に感謝して、
みんなで盛り上げようという庶民に心意気には、
人の優しさや温かさが感じられて、人のあるべき姿を教えられます。

一方でそれを現世利益の最たるものである、商売繁盛に結びつけてしまうあたり、
人間のしたたかさも同時に思わせます。

もしかするとこれらの心を併せ持つ事こそが商売繁盛の秘訣なのかもしれませんね。