私は、受付でお客様と直接お話をする機会が多く、老若男女、さまざまな方々が来訪されます。
先日、ある出来事がきっかけで、日頃、数多くのお客様を接遇しなければならない状況であっても、お一人お一人の特徴や個性に応じて臨機応変に応対することの大切さにあらためて気付かされました。

先週の水曜日のことだったのですが、自席で書類の処理をしていたところ、その前日の火曜日にも来訪された年配の女性がおいでになるのが見えました。
正直なところ私は、自分の応対に不手際があったのではないか、そのため苦情を言うために来たのではないかと、内心ヒヤヒヤとしました。

しかし、その女性は、ご自身が水彩で描かれたというお地蔵様の絵とともに、優しい対応に感謝する旨のメッセージを書いた絵葉書をわざわざ持参してくださったのです。
前日の私の応対というのは、特にそこまで素晴らしいと言えるようなものではありませんでした。
その方が持って来られた書類では本人確認ができず、通常の手順であれば出直して頂かなければならないケースでした。

ですが、足の具合が悪そうによろよろと歩かれていたので、遠方でないとはいえ、見つかるかどうかも分からない書類をあらためて探すために往復するのは酷に感じました。
そこで、座ることのできる応接スペースにお通しし、世間話をしながら、その方に関連して私たちが保有している個人情報とお話が合致するかどうかを確かめる方法で本人確認を行い、ご希望の手続きを完了させることができました。
もちろん、この方法はルールに違反するものではなく、やむを得ない状況の場合に許されているものです。

私たちは毎日たくさんのお客様のご用件を処理する必要があるため、マニュアル通りに効率よく次々に接客する傾向があります。
しかしながら、ほんの一呼吸置いて目の前のお客様をよく観察するだけでも、より喜んでいただけるサービスを提供できる可能性が広がることが分かったのです。

何か大きなことを成し遂げた訳でもないのに、私はとてもうれしく思い、感動しました。
今後とも、仕事の基本的な部分をしっかりと押さえながらも、一人の人間と相対していることを意識して接客していきたいと思います。

本日もどうぞよろしくお願いいたします。