「情けは人のためならず」という言葉の本来の意味を正しく理解している人はどのくらいいるでしょうか?

10年ほど前に他社で従業員に問いかけたところ、50人中正解者はわずか6名でした。昨今では日本語の誤用に関する報道が増えているせいか以前よりは正解率は上がっていると思いますが、皆さんは正しく理解していますでしょうか?

本当の意味を「情けをかけてはいけない」と思っている人がいたら今理解をあらためてください。

この「情けは人のためならず」という言葉には続きがあって、「情けは人のためならず、巡り巡って己がため。」というのが全文であります。すなわち「情けを積極的にかけなさい」というのが本来の意味です。

私が以前にいた会社に部下としてはいってきた新入社員が、納品直前の高価な製品を壊してしまい、損害が数千万円というということがありましたが、その時は、ほかの部署からも応援を受けて徹夜で作り直しを行い、翌々日に迫った納期を守ったということがありました。その新入社員は製品を壊した時には非常に落ち込んでいたのですが、彼は創業以来初の4大卒の新入社員で大変な期待を受けて入社してきたこともあり、その場にいた全員がだれ一人文句を言わず作業を手伝ってくれました。その結果、彼はやる気を取り戻し、いろいろなミスを重ねながらも成長し、今ではその会社の役員になっているそうです。あの時に誰か一人でも、怒ったり不貞腐れたりしていたら彼はたぶん退職していただろうと思います。彼が退職しなかったことで今では売上が100倍以上になり全員の給料も上がり次期社長は彼で間違いないといわれているそうです。

 あの時、落ち込んでいる彼を救った従業員たちは、「情けは人のためならず、巡り巡って己がため」ということをしっかりとできていたのだと私は思います。

 これからもいろいろな局面で、ほかの人が困っている局面に出会うことがあると思いますが、この「情けは人のためならず、巡り巡って己がため。」という言葉を胸に刻んで生きてもらいたいと思います。