人にはそれぞれ「こうあるべき」と考える価値観や信条があります。
たとえば「時間は守るべき」「順番は守るべき」といった「べき」は、多くの人に共通するものでしょう。
ですが、「べき」には人それぞれ「程度」が異なるという特徴もあります。

「職場に来客があったら挨拶をするべき」で例をあげてみましょう。
一見解釈の違いなど生まれようがないと思われるかもしれません。
ですが、こう聞くと「お客様には自分から挨拶をすればすればいいんだな」と判断する人がいる一方で、「お客様と目が合ったら挨拶をすればいいんだな」と判断する人もいるのです。
また、この「挨拶」という言葉も人によって受け取り方が異なる場合があります。
挨拶をするとき、その場できちんと足を止める人もいれば、歩みを止めない人もいるでしょう。

あなたがどのような「べき」を持ち、どの「程度」望んでいるのか、それは周りの人と同じ程度か、これをお互いにはっきりさせておかないとズレが生じてしまいます。
そのズレこそが「何であの人は〇〇しないんだ!」という怒りの感情に繋がってしまうのです。

人間関係を築くうえで、自分にとってどこまでがOKゾーンでどこからがNGゾーンなのか、境界線を明確にしておきましょう。
そうすれば、自分の価値観や信条を相手に伝えやすくなりますし、こちらがイヤだと思っていることに対して、むやみに踏み込まれることも少なくなります。

怒ると決めたことはしっかり怒ることができる、許容しようと決めたことは無駄にイラッとせずスルーできる。
そうなるためには、怒る・怒らないの境界線を、あなた自身が見つめ直すことが大切です。

境界線を明確にできたら、相手にそれを誤解なく伝える努力をしましょう。
長く付き合う相手には、とくに境界線を詳細に伝えて共有しておくことで、ズレがなくなります。
そのズレを減らしていくことが、良好な人間関係を築く第一歩といえるでしょう。