エアコンを購入するとき、設置する部屋に合わせ、6畳用・12畳用などメーカーの推奨機種があり、それ用を入手することが多いと思います。しかしこれは、実は約50年前の気密性の少ない住宅を基準に考えられていることをご存知でしょうか。実際には戸建住宅やアパートなどの集合住宅の違いによっても状況は変わり、日差しが入る窓の向きや、隣家との関係などによっても必要な能力は変わります。

これは最大で5倍程度の違いが出ることもあるといわれており、単純に冷房・暖房ともにですが6畳用・12畳用などくくれないものです。それに加えて先述した50年前の気密性の低い住環境を基に能力を決めていますので、現代は現代の適切な能力基準を算定する必要があります。

エアコンメーカーは、一般的に大きな能力の機種のものが売れた方が利益に繋がりやすいと考えられます。従って現代の住環境で必要能力を算出した場合、メーカーが謳う12畳用は、よほど気密性の低い住環境でない限り必要ない可能性が高いと考えられます。確かに熱効率や損失を考慮して、大き目の能力の機種を選択する方が安心で、冷えない・温まらないなどという失敗は避けられるかもしれません。

しかしこれは50年前の住宅に住んでいる場合に考えるべきことで、現代の住宅や、ましてや省エネ住宅と呼ばれている次世代住宅にはオーバースペックになり、かえって熱エネルギーの損失が発生する効率の悪い運転になることが懸念されるのです。

ちなみに断熱性能が1999年基準、気密性能が1999~2016年基準の6畳部屋が3つある次世代住宅で必要な暖房能力は2.5KWで、これはメーカーが言う6畳用エアコン1台が持っている能力に相当します。計算上、1台のエアコンで6畳の部屋3つが賄えるのです。

気密性の低い住宅に住んでいる、あるいは窓などを開放した部屋で過ごすなら別ですが、ほとんどの場合、メーカーの言うスペックは過剰な能力で、電気代の少ない効率的な運転を目指すなら適正な算出を行うことは決して損することはないと考え、今日皆様へご報告する次第です。