Boys,be ambitious.この有名な言葉を知らない方はまずおられないでしょう。
欧米に追い付こうともがいていた明治の日本に招聘されて、札幌農学校、今の北海道大学で教鞭を執ったアメリカ人・クラーク博士の言葉です。
これから日本を背負って立つ日本の若者に対する叱咤激励ですね。
しかしただ単に先生が教え子に説いただけの言葉ではないと私は思います。

クラーク博士が日本にやって来たのは明治9年。
明治新政府が誕生して間もないこの時期、藩が消滅して禄がなくなった元武士階級の処遇対策に、蝦夷地つまり北海道開拓が推し進められていました。
未開の地を開拓した経験を持つアメリカ合衆国はその良い手本です。

クラーク博士は、化学・植物学・動物学を修め、農学を推進するだけではなく、南北戦争では大佐として従軍しており、一方で敬虔なキリスト教徒でもありました。
即ちアメリカ開拓時の開拓精神の持ち主で、北海道開拓にはまさに打って付けの人材でした。
クラーク博士自身も開拓時代の峠を越してしまったアメリカに幻滅し始めていて、北海道の開拓に再度の夢を求めた様です。

来日した彼は学問を教えるだけではなく、生徒達にキリスト教を布教したり、軍事教練さえ行っていました。
自身の全知識を若者に伝えようとしたのです。

そしてこの言葉の後には、実は 「like this old man 」という言葉が続いていたという説があります。
「この年寄りの様に」。

つまり「少年達よ、この年寄りでも大志を持っているのだ。君達は若いのだからそれ以上の大志を抱くべきだ」と言いたかったのではないでしょうか。
クラーク博士の行動を考え合わせると、ここに正真正銘の率先垂範を典型を、私は見た思いがしました。