会社内において、上司と部下の関係は一番難しい関係だといえます。仕事上、上司の指示に従っていても、本音は見えません。信頼する部下や、上司と思っていても、相手が本当にそう思っているかどうかはわからないのです。

私の体験をお話しします。私がまだ30代の頃、人は良いが怒りやすい部長がいました。部長は磯釣りが好きでしたが、立場上、社内で一緒に釣りに行ってくれる人はいませんでした。当時私は彼の部下で、たまに部長から釣りの話をしてくるので、それに応えていろいろと話していました。話してみると、磯釣りに関しては自分の方がベテランで、釣り場や釣り方の知識は私の方が上でした。

何度か話した後、部長から釣りに誘われました。詳しく聞くと家も近所でした。私は、釣にはそれなりの自信があったので誘いに乗りました。部長はは車を出すが、疲れやすいので運転をしてくれないかと言ってきました。私は二つ返事でOKしました。釣り場は私に決めてくれと言いました。私は部長に釣らせたくて、場所をいろいろ考え決定しました。

いよいよ出発です。職場とは全く違い、気遣いの多い部長でした。眠くならないようにコーヒー飲料を数本買ってきていていて何時でも飲んでくれと言いました。車内では部長からの釣りに対する疑問点を私にいろいろ聞いてきました。決して自慢話はせず、私の話を食い入るように聞いていました。

港へ着き、磯渡しの渡船で釣り場に上がると、部長は遠慮して、先にやりたいポイントを決めてくれと言いました。逆に私が困り、部長に一番のポイントを譲りました。釣りを見ていると正直、素人でヘタの横好きのようでした。上手な人に全く教わっていないようで、私が最小限のコツやテクニックを伝授しました。結果は満足した釣果になり、帰りの車内は話が弾みました。これを機会に、部長に対する見方が変わったのは言うまでもありません。また部長から私への接し方も変わりました。

いままでは、顔も見たくないと思った日もありました。しかし趣味を通じて、部長の人間性を知り、信頼度がぐっと増しました。その後、何度か釣りに行きましたが、部長が転勤になってからは釣りに行くことが無くなりました。

このように趣味を通じて、本音で話すことによって、上司や部下の人間性がわかるものです。中には仕事と同じようにポジションパワーを使う上司もいますが、それはそれで趣味として嫌みはないと思います。

今からでも遅くありません。同じ趣味を持つ、上司や部下のみなさん、一緒に趣味を楽しんでみてはいかがですか。