学生時代に数年アメリカに留学したことがあります。
学校での英語の授業の聞き取りには、正直あまり苦労しなかったのですが、クラスメートとの日常会話のほうが自分には苦手だったのです。
なので自然、孤立してしまう形になりました。

アメリカ人というのは個人主義と思われがちですが、結構世話焼きと言うか細やかなところもある人種です。
何時も1人でいる自分のことを心配してくれたのか、クラスメートの1人がある日の授業後、コーヒーショップに行こうと誘ってくれたのです。
正直あまり気が乗らなかったのですが、これも勉強だと自分に言い聞かせて一緒に行くことにしたのです。

4人でコーヒーショップに行ったのですが、案の定会話はスムースに行きません。
他の3人の会話を聞き取るのがやっとで、返事を考えているうちに話が先に進んでしまうのです。
会話に交われないのが悔しくまた悲しかったのは事実です。

その時に、誘ってくれた当人が気にしてくれたらしく、やっぱりつまらないのかと聞いてきました。
そういうわけではないけど、英語がうまく喋れなくないのでみんなと話せなくて、と何とか返事して、喋れなくてごめんねと言ったのです。
クラスメートの反応は予想外でした。

彼は、何言ってるんだ君は英語と日本語喋ってるじゃないか、バイリンガルだよと笑いながら言ったのです。
そして、僕なんか英語しか喋れないよ、と付け加えました。
他の2人も、全くそうだと大笑いして、君はすごいよと言ってくれたのです。

アメリカ人のポジティブ思考は筋金入りですし、日本人はネガティブ思考に陥りやすいと言います。
実際それまでの自分も、出来ないことを目の前に並べて悦に入ってたようなところがある、とその時に気がついたんです。

出来ることだけ並べて自慢するのも、遠慮したいところです。
しかし、出来ないことだけでなく出来ることも等しく自覚すること、これが大事だとその時以来努力して実行しようとしているのです。