カリスマ経営者と呼ばれる人たちがいます。えてしてそういう人たちは、社会の未来を予想し、自分たちの繁栄を約束します。しかし、彼らの予言は、実はよく外れています。当たった部分だけがクローズアップされるということと、その人たちが自信たっぷりであることから、カリスマ的存在になっているのです。

大言壮語してカリスマになろうとして失敗した人や、一度はカリスマになったけどそこから転げ落ちた人が、本当はたくさんいます。そしてカリスマであり続けている人も、実は何度も誤った判断を下しているものです。気になる上場企業の過去の有価証券報告書から、来期の業績予想という欄を見てみてください。そして次に、その来期に確定した本当の業績も見てみてください。正確に当たっていることなど、ほとんどないでしょう。1年後の業績すら、人間には予想できないのです。

世界一の投資家と呼ばれ、そういわれるだけの実績を長年残し続けているウォーレン・バフェット氏も実は、未来の予言はできないことと、自分が何度も判断ミスをしたことを、認めています。未来については結局、確率を考える程度のことしかできないのです。だから彼は、いくら良い企業でも、十分に割安になったと判断した時にしか株を買わないそうです。でもそうすれば、予想通りにいかなくても損失を小さく抑えられます。それが賢明な投資なのでしょう。

ですから私たちも、甘い考えは持たないことが賢明かもしれません。未来は確率的にしか予想できません。また、誤った判断をしてしまうこともあります。だからそれを前提に、少しずつ日々の仕事を改善していく方が、最終的にはうまくいくのではないでしょうか。カリスマ経営者たちの言うことを信じ切り、大博打を打つ必要はないのです。