他人は自分を表す一番の正確な鏡だよ。私は幼いころから母にそう言われてきました。

先日の出来事ですが、駅の改札を過ぎたところで落とし物をした人がいました。落としたものがカードのようなものに見えて定期やクレジットカードでは困るだろうと思い、慌てて大きな声でカード落としましたよ。と叫んだのです。

すると相手の男性ははっとした表情でこちらに走ってきてパッとそのカードを拾い、またもや走り去っていきました。

シャイな方なのかもしくは訳あってとても急いでいたのかわかりませんが、私は人が多い中で結構な勇気を振り絞って呼び止めたのに、せめてお礼もないものだろうか。

もやもやとした心持ちのまま家につき、夕飯を食べると実家の母から連絡が入りました。

最近、元気でやっているか、休みに帰ってくるのか、何か仕送りしたいのだけれど何がいいのか希望はあるかという内容でした。
先ほどの出来事もあり、少しいらだっていた私は母に対して「なんでも大丈夫だよ」と投げやりに返事をしてしまいました。

すると少しの沈黙があり、母が私にひとこと伝えたのです。

「お父さんも仕送りを楽しみに選んでるんだから、ありがとうっていう言葉だけは忘れたらだめよ」

母のその言葉にハッとして気づきました。

先ほどの落し物の人と同じく私もお礼を素直に言えていないじゃないかということに。

ありがとうというお礼の言葉はとても便利で気軽に使える言葉です。だからこそ私たちは本当に素直にありがとうという言葉を使いたいときに意地を張ったりよくわからない自尊心に邪魔をされてしまい使えないことが多々あるように感じます。私は今回母の助言もあり自分がお礼を大切にできていないことに気づきました。

きっと誰しも人の良くないことにムッとする経験があるとは思いますが、そんな場面に出くわした際は自分の鏡としてその人を通して自分をよく観察してみてください。

自分に足りない何かを教えてくれているかもしれません。